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「想像以上に小ぶりではありますな」
「小ぶりであろうが、数でこられたらたまらんわ」
天空にはハゲワシが一羽、偵察している。
獲物と見るや、群れとなり、蟹ごと脂肉にあずかろうと集まってくるのだ。
眠りでもすれば速やかに、確実に、商いはおろかすべては過去のものとなってしまう。
バッソ一行は三日前にサルタナ海からボストー湾に入り、アダンの港でたっぷりと休養をとったあと、ミト王国づたいにデラアを目指してラクダ9頭とともに昨日の朝出発した。
今回の旅の目的は、老大国ダルシアの、特産の絹織物を手に入れることと、美術品や骨董などをできるだけ引き上げることであった。
国の創建以来ダルシアのお家騒動は常の事であったが、今回はもう後がないであろうというのが、大方の意見である。
ここに至るまでに国を見放した民の群れで一杯の船と、幾度もすれ違った。
古の大国、大ダール帝国の遺産「ドーンのいかづち」の秘密が、ついに解明されたという噂や。
難攻不落を誇る大城壁の抜け道が見つかったという噂や。
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