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マティルの目から涙がこぼれ落ちた。博士の死から既に長い時間が経っている。博士のことを何も理解できていなかった自分が悔しくて堪らなくなった。博士は意味もなく、自殺するような人ではなかった。 これも実験だったのだ。 それに気付かず、博士の死から現実逃避していたマティルは今ようやく気付かされたのだ。 その日からでは、遅かったかもしれないがマティルは10がつく日の午前0時に風鈴が鳴るか待っていた。
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