第6夜 足を掴んでいたのは

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これは僕が中学生の時に体験した話です。ある日、僕は人身事故の現場を目撃してしまいました。正直、あまり思いだしたくない光景なのでしたが。小学生の男の子が運悪く電車にひかれたようで体はバラバラに粉砕されなぜか片方の手首だけが見つからなかったようです。そしてその時、僕は 「可哀相に」 と呟いてしまいました。その些細な言葉であんな体験をしてしまうとは。 それから数ヶ月後。僕はあの事故現場の踏み切りの前にいました。 時間は午後6時、人身事故のことはもう過去の話となっていた。聞いた話ではいまだに片方の手首は見つかっていないようだった。そして僕が踏み切りを渡っていると急に左足が重くなりました。右足はとくになんともないのだけれど。なんだろうと思って自分の足を見ると。とくに何もなかったんです。 変だなあと僕は踏み切りを渡り終えると、急に左足に激しい痛みが僕が左足を見ると 手首が僕の左足を掴んでいました。 僕は 「うわあ!!!!」 と叫びながらその場で座り込んでしまいました。その瞬間、僕の左足を掴んでいた手首は消えてしまいました。もしかしてあの手首は人身事故で死んでしまった男の子の手首だったのかもしれません。
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