第10夜 開けちゃダメ

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私が小学生の時に体験した話です。まだ旧校舎があったころ。旧校舎の1階のトイレには奇妙な噂があったのです。そのトイレはなぜか使用不可能で誰も入れないようにしているのです。噂ではそのトイレの左から3番目のトイレのドアを3回ノックして開けると花子さんが出るということで花子さんを見てしまうと殺されてしまうということでした。噂好きと怖いもの好きの私は好奇心だけでそのトイレに行くことにしました。 そしてその頃、通り魔が学校周辺に出没するということがあり帰りは集団下校でした。 昼休みの時、私は旧校舎にあるトイレにむかいました。トイレの中は薄暗く何か出そうでした。 「…」 そして左から3番目のトイレに行き立ち止まり3回ノックをしました。するとそばに気配が。私が気配がした方へ視線をむけると。おかっぱ頭の幼い女の子がいつのまにか私の隣に立っていました。 いつのまに 「そのドアを開けちゃダメ」 「へ!?」 私がもう一度その女の子を見るといつのまにか女の子の姿はどこにもありませんでした。そして私は急に寒気がしてその場から走り去りました。その時、ドアがゆっくり開いてトイレの中には包丁をもった中年の男がたっていました。あの男はいったい誰だったのでしょう?もしかして通り魔であの女の子は花子さんだとしたら私を助けてくれたのではないかもしれないと私は思いました。
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