第11夜 たとえ死んでも

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これは学生時代、僕の友人が体験した話です。友人の名前は一生というのですが。一生は学生時代、かなり女癖が悪く女性をとっかえひっかえしていました。ある日のことでした。一生は珍しく3年も付き合っていた彼女をなんの理由もなくふってその彼女は首吊り自殺をしたらしいのです。 そして1年後。一生はまた新しい女性と付き合いはじめ。その頃から身近で奇妙な出来事がはじまったようなのです。 今まで仲がよかった女友達に嫌われ単位も落しまくり。そんな毎日が続いていたある日のこと。 一生が新しい女性とデートをしている最中。なぜかその日だけ。女性は昔、一生が自殺した彼女とよくデートをしていた場所を指摘してきました。女性には自殺した彼女の話などほとんど話をしていないというのに。 すると突然隣を歩いていた彼女が 「ね!一生君!ここでよく昔の彼女とデートしていたんだよね?」 髪の毛で彼女の顔がよく見えなかった。 「なんのこと?」 その時、一生はなんでそんなこと知っているんだと不思議に思ったようでした。すると突然、女性の声が変わり 「覚えてないの?酷いなあ。かずちゃんは」 かずちゃんとは自殺した彼女が一生につけていたあだ名だった。 「おい!そのあだ名」 一生は女を自分の方にむかせた。 「やっぱりかずちゃんのこと許せないね」 女性の顔は自殺した彼女の顔だった 「うわあ!」 それ以来、一生、女性と付き合うのが怖くなったようです。
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