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なったのは僕らが学校でかくれんぼをした日だった。
そして紫乃の死から1年がたった。
僕らは紫乃のことなど忘れかけていた。そんなある日のことだった。突然、雪美がいなくなったというかこの世から消えてしまった。僕らいがいの友達・家族・先生。みんなが雪美の存在を忘れていたのだからだ。雪美のことを覚えているのは僕ら3人だけだった。
「なんで、みんな。雪美のことみんな、忘れてしまったんだよ」
「雪美と仲がよかった奴らもだ」
僕の脳裏に紫乃の姿が
「もしかして、紫乃の呪い」
「な!なんてこと言ってんだよ!そんなことあるわけないだろ」
次の日、今度は寿人が雪美と同じようにこの世から消えてしまった。
「なんで寿人まで、次は俺かお前かどっちかなのか」
大樹はかなり怯えているようだった。その夜、僕の家に大樹から電話がかかってきた。
「はい!もしもし!大樹。どうしたの?」
「…祐司。助けてくれ」
「え!?」
電話ごしの大樹は昼間より怯えているようだった。
「俺、誰かに見られている気がする。今だってすぐそばで誰かに見られているような視線が」
「何言ってんだ!?すぐにそっち行くから待っていろ」
僕が電話を切ろうとしていると
「まて!切るな!」
「すぐそっち行くから」
そして電話を切り、僕は大樹の家へむかった。チャイムを鳴らすと大樹の妹の雛が出てきた。
「大樹。いる?」
「大樹って誰?」
雛は聞いてきた。何言ってんだと思いながら
「君のお兄ちゃんだよ!」
「どうしたの?雛」
リビングから大樹の母親が出てきた
「あ!おばさん!大樹いますか?」
「大樹。そんな子。うちにはいないけど、あなたどなた?」
まさか大樹も消えてしまったのか
「失礼します」
と言いながら僕はその場から走り去った。僕は心の中で
[次は僕だ。僕が狙われるんだ!]
と心の中で叫んでいた。そんなのは嫌だ。僕はいつのまにか、学校にいた。そして1年前に紫乃が自殺したトイレの入口まで来た。
「ここで紫乃は死んだんだよな」
「みつけーた」
この声は紫乃!?
「今度はあなたが鬼よ」
目の前には紫乃が
「今度はあなたが鬼なんだから、私を探してね」
そう言いながら紫乃は僕に何もせず消えてしまった。これで何もかも終わったと思っていた僕だが。それいらい、見えるのです。紫乃の姿が
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