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この短文メール。敬吾君が毎日送ってくれたメールとよく似ているじゃない」
まさか。死んだ敬吾がメールなんて送れるわけないじゃないと私は心の中で思っていたが。
毎日のようにメールが届いた。
「…」
私は心のどこかでもしかして本当にメールの送り主は敬吾なのではないかと思いはじめた。ある日のことだった。仕事で大きなミスをして落ち込んでいる時に
『こんばんは、あんまり落ち込むな。次からまた頑張ればいいじゃないか。K』
K。もしかして敬吾のK!?そして次の日から少し長いメールが送られるようになってきた。
ある日、今日は私の誕生日でした。するとメールが
『おはよう。誕生日おめでとう。一緒には祝えないけど。ずっとそばにいる。K』
敬吾…。私は思わず泣きくずれてしまった。そんなある日。同僚の男性から
「結婚前提で付き合ってください。」
「え!?」
まだ敬吾のことを忘れられていないというか。思いはだんだん強くなる一方だった。
「ごめんなさい」
私は断ってしまった。
「まだ彼のこと忘れられないの?」
「…」
彼とは敬吾のことだった。
「彼は死んだんだ。もっと前を見ないと。もうすぐ一年だよね。彼が亡くなって。」
厳し
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