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「荷物がここにあるということは。柏木先輩は校内にいる可能性があります」
「そうね。唯ちゃんはどうする?」
「なんとなく。起こしたら悪いから。私達だけど捜しましょう」
そして私達は体育館から出ました。校舎にて
「物音一つないわね」
「私達の話し声と足音しか」
「でも、柏木先輩はどこに?」
私は少し考え
「プールの方、見に行ってみませんか?」
「そうね。行ってみましょう」
私達はプールの方へむかいました。出入口の方からプールを見ると。中は真っ暗で辺りを見渡しましたが人の姿はありませんでした。そう確信した私達は移動をしようとしたその時、バシャバシャと水の音が
「何!?」
と私達が呟きながらプールを見ると水着姿の女の子がクロールで泳いでいました。確かに誰もいないはずだったのですが。
「クロールってもしかして、浅野さん」
『そうよ』
この声はやはり浅野さんでした。
浅野さんはプールサイドにあがりました。岡島先輩は私の腕に抱き着いていました。
『岡島さん、久しぶり』
浅野さんは笑顔で岡島先輩を見ていました。
『…もしかして、私の事。忘れた?』
今度は無表情で
「忘れてなんかいないわ」
『クスクス。安心したわ』
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