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「……まさか、本当に街を喰われるなんて」 妹の薬を買いに行っただけ。 少し離れた村まで、薬を買いに行っただけなのに。 そのたった数時間の間に、僕の故郷は何もかもなくなっていた。 妹も家も隣のおばさんも小さな果樹園も沢山あったお店も。 全部全部、全部。 「街喰らいだ」 くだらない噂話だと、作り話だと思っていた化け物は確かに存在していて、きっとそいつが僕の街を。 そうに決まってる。
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