属性主義

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属性主義。 それはこの世界で生きる人間に課せられた一つのルール。 管理者という世界を調律する存在から強制的に与えられる属性に沿って、この世界の人間は生きている。 なぜこんな馬鹿げたことが始まったのか。 その理由も知らないまま人々はルールを守り生きていた。 「こらぁ、米田ぁ!! 今日もまた遅刻か!」 急ぎ教室に向かうオレの背中に、"熱血キャラ"の属性を与えられた教師の怒鳴り声と竹刀の音が届いた。 きっと"不良キャラ"の属性を与えられた生徒がやってきたんだろう。 「……出席日数が足らなくて卒業できないのにな」 素行が悪くとも学校にやってくる不良の少年。 根はとても真面目で誠実なんだと思う。 「報われないな」
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