属性主義

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昼休み開始のベルが鳴る。 それを聞いて教壇で便を取っていた教師が挨拶もそこそこに教室を出て行った。 「柊ぃ!」 「橘ぁ!」 掛け声と共にクラスメートの机を足場にしながら廊下に飛び出した。 出たばかりの教室から"委員長"の叫びが聞こえるけど無視。 「獲物はなんだっけ」 オレ達ふたりだけで通じる隠語で橘にふる。 彼は一瞬だけ考えたのち…… 「今日はパンだな。定食は豪華な物が多いが量が少ない」 「オーライ。一気に行くぞ相棒」 「ふっ、頼れる"親友"と呼べ」 「それはムリだわ」 だってコイツは"親友"というよりも悪友という関係に近い。 そしてオレは、コイツを最高の悪友と思い続けていたい。 「やれやれ、つれない奴だな」 「ぼやいてないで"主人公"の為にさっさと突貫しろよ"親友"」 「お前も一緒に決まってるだろう」 お互いに笑いあってから目の前に見えた人垣に同時に突入する。 弾き出されそうな弾力を抜けたかと思えば、次には蒸し焼きにされるんじゃないかという熱気。 最早日課となった行為だけど思わずにはいられない。 "主人公"なんかより"モブ"の方が最強だと思うんだ……ってね。
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