2人が本棚に入れています
本棚に追加
「久しぶりだな」
「……うん」
緊張して、うまく話せない。
私は、男の人と付き合った経験がないわけではない。
けれど、…今は一年に一回しか会えないということもあるが、やはり好きな人と話すのは慣れない。
…―――そう。
私は、未だに雪生兄ちゃんが好きだった。
どう思われてしまうかが怖くて、想いを伝えたことがない。
幼少の頃は、よく遊んでもらっていた。
私はどんくさくて、すぐどこかに躓いて転んでしまうから、雪生兄ちゃんは『危なっかしい』と、私の手を握っていてくれた。
そういう、雪生兄ちゃんの優しさが私の中で積み重なり、いつの間にか淡い恋心が生まれたのだった――。
最初のコメントを投稿しよう!