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「つまり、大切にしろと言われたから大切にしてる、ということだろ?言われたから。」
『抽象的にはそうですが、具体的に説明させて下さい。このままでは、私がつまらない人間のように聞こえてしまいますので。』
私の鍵を奪っている目の前の輩を軽く睨んでみる、が効果なし。
何がしたいのでしょうか、私の鍵なのに。
今日はついてません。
「え?違うのか?」
むっかー、
『違います!その鍵はお母さんがくれた大切な鍵何です!絶対、大切にすると約束したんです。大切に!だから、人に譲れるものではないのです。ただ、何の鍵かは教えて下さらなかった。自分で探しなさいと、ただそれだけで。』
じっと、やつの顔を見る。予想外に整っていて余計ムカつく。
「自分で探す?」
『はい、その鍵と一緒にある言葉も教えて貰いましたけど。言葉というかジンクスや詩に近いものなのですが。』
「何?教えてよ。」
『真実を知れば心を奪う。命までもを支配する。あなたの心を響かせて。信じるものに幸福を。よからぬ者には制裁を。
ってね。あと、大切の人の為に使いなさい。命をかけれる人にだけ。大丈夫、あなたなら見つけられるわ。って言われた。』
「難しいな、謎解きか?まだ分からないんだろ?」
『はい、ただこの鍵の存在を知っている人がいるみたいで。』
「狙われていると?」
『はい、だから早く何の鍵かを知らなければいけないのです。その鍵が必要なんです、返して。』
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