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次の日、彼は図書館に来ました
学校の階段を歩いても
学校の廊下を歩いても
誰も気づいてくれません
親友の恵の
「栞!本ばっか読んでないでバスケでもしようじゃん!」
というボーイッシュな声は聞こえません
ただ空を覆う雲のように、恵の心も暗いなにかで覆われていました
そんな恵の肩に私は手を置く
恵は気づかない
周りの人間も気づかない
周りの人間は元気に笑っています
決して私のことを笑っているんじゃない
わかっているけど
どこか悲しかった
教室を後にして放課後
私は図書館に行きました
彼がいました
私の代わりにカウンターに座る女の子を見て、彼は少し悲しそうな顔をして、いつもの席に座りました
私は後悔した
彼に想いを伝えられなかったことに
私は後悔した
この世から姿を消したことに
私は
後悔した
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