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「ねぇ、聞いて!さっき購買で五十嵐君と話しちゃったの!」
一週間の殆どを過ごすこの教室で、飽きもせずに、何時もの様に仲間の中心人物である、春野霞が言う。
周りも、何度も聞いた似たような話題に相槌を打つ。
…聞きたくないなぁ。
そんな事を考えていたら、イチゴミルクが無くなった。
私はラッキーと思ったが、すぐに考え直す。
昼休みがおわるまでまだ十五分あるけど、先ほど購買で買ったパンは、わざわざジュースを買い足すほど余ってはいない。
残り時間微妙な癖に、わざわざ行くって不自然じゃね?
付き合い悪い奴だと思われるッ…!!
しかし、天秤に掛けた瞬間、ソッコーで聞きたくない方が勝った。
「あー、私、ジュース買ってくるわ。無くなっちゃった。」
「私のちょっとあげようか?」
察してよ、春香。
あんたは超いい子だけど、時たま鈍いよ。
「今、ココアよかコーヒーの気分だから。ありがと、春香。」
財布をスクールバッグから取り出すと、足早に購買に向かった。
何かを振り切るかの様に…。
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