第一話:黒猫の居る屋上

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「あー…御免な?」 「あ、や…私の運がなかっただけだから、気にしないで。」 本当は物すっごく欲しいです!!!!…とは口に出せない。 何より、私が叫ぶ直前に彼は既に珈琲を開けて一口飲んでいた。 今更くれとか無理だろ、うん。 「あのさっそろそろ戻らないと昼終わるんじゃない?」 普段あんまり話したこと無いけど微妙な空気からは救われた、ありがとう相澤君。 此処は仕方ないから妥協して、小岩井の桃を買った。 …こっちも旨いよ、うん。 嗚呼っ、でもあの珈琲飲みたかった…。 † 教室に戻ると、霞達は一斉に振り返り、すぐにいつもの笑顔になった。 私はこの笑顔がどうにもいけ好かないのだが、そんな事は黙っておく。 そして、あからさまに今まで話していたと思われる恋バナを止めて、次の授業がたるいだの、いつも通りな世間話になった。 …確かに入らないけどさ…。 こういう時、何時もは仲の良い友達に少しだけ、不信感を覚えてしまう。 そんな自分が私は大嫌いだった…。
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