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「あー…御免な?」
「あ、や…私の運がなかっただけだから、気にしないで。」
本当は物すっごく欲しいです!!!!…とは口に出せない。
何より、私が叫ぶ直前に彼は既に珈琲を開けて一口飲んでいた。
今更くれとか無理だろ、うん。
「あのさっそろそろ戻らないと昼終わるんじゃない?」
普段あんまり話したこと無いけど微妙な空気からは救われた、ありがとう相澤君。
此処は仕方ないから妥協して、小岩井の桃を買った。
…こっちも旨いよ、うん。
嗚呼っ、でもあの珈琲飲みたかった…。
†
教室に戻ると、霞達は一斉に振り返り、すぐにいつもの笑顔になった。
私はこの笑顔がどうにもいけ好かないのだが、そんな事は黙っておく。
そして、あからさまに今まで話していたと思われる恋バナを止めて、次の授業がたるいだの、いつも通りな世間話になった。
…確かに入らないけどさ…。
こういう時、何時もは仲の良い友達に少しだけ、不信感を覚えてしまう。
そんな自分が私は大嫌いだった…。
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