一億階ある塔

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「すいません…」 「なんで授業中にニヤニヤするのよ。」 外を眺めるのが楽しいからとは口が裂けても言えないな。 「ちょっと懐かしいことを思い出してニヤッとしてしまったんです。」 「ならいいけどね…」 よし…危機を回避した。 結城さんは黒板に顔を向けたみたいだし。 でも…何か起きないかな。 本当に何か小さな変化でいいから起きて欲しい。 そう僕が切実に願いながら外を眺めていると、超巨大な建物が見えた。 僕は驚愕した。 その建物は空を超えていた。 一体どのくらいあるのかわからない建物だった。 その建物は…塔と言えばわかりやすいのか。 西洋のバベルの塔のような塔。 あとはアニメや漫画のファンタジーで出て来そうな塔だ。 そんな塔が見えた。 僕はわけがわからなかった。 いつそんな塔が出現したのか。 今、目を逸していた間に出現したとしか思えない。 何故なら、毎日外を眺めているからそんなでかい変化に気づかないわけがない。 授業が終わった後、携帯で突如出現した塔について調べながら帰った。 しかし、有力な情報は得られなかった。 家でテレビを点けてみた。 ニュースを見てみたが、全く話題にはなっていなかった。 もしかして…自分の幻覚なのか。 真偽を確かめる為、まずは母親に訊いてみることにした。 「母さん、最近でかい建物この辺で建った?」 「…いや特と思うわよ。」 なんだと…あんだけデカいなら普通ならわかるはすだ。 もしかして…幻覚だったのか? 「そうだよね。母さんありがとう!」 「どういたしまして。」 僕は幻覚かどうか確かめる為、自分の家の窓から外を見た。
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