一億階ある塔

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あった。 やはりあの塔はここの家からでも見えた。 とすると僕には見えて母には見えてないのか? いやまずニュースにもなってないからほとんど人が見えてないのか。 僕はあの塔が本当にあるか確かめに行く為に服を着替え外に出掛けた。 大体の場所はグーグルアースを使って割り出した。 そして、塔の場所に着いた。 「塔がない?」 現場に着くと、かなりでかい交差点のど真ん中だった。 しかし、塔はなかった。 「僕は幻覚でも見ていたのか…」 そう呟いて帰ろうとすると、とある異変に気づいた。 その異変は明らかだった。 何もなかった。 いや、誰もいなかった。 まるでゴーストタウンのように人がいなかった。 「どうなっているんだ?」 「あら、迷い込んでしまったの?」 突如知らない美人の女性が話しかけてきた。 僕は困っていたからその現象とその質問について訊いてみた。 「あの…ここに来たら突如人がいなくなってしまったのは何故なんですか?あとあなたの今言った意味は?」 「質問が多い子ね。いいわ、それについて一言で答えてあげる。」 僕は質問をたくさんはしたつもりないが、多かったらしい。 「一言で?」 「ここはあなたの知ってる街ではないの。」 僕は意味がわからなかった。 「それはどういう意味ですか?」 「つまり、ここは違う世界なの。」 違う世界。 それはアニメか何かの設定の話かと思ったが、事実色々とおかしい すると、本当に違う世界なのか。 辺りを見回して見ると、あの塔が自分の後ろあった。 「あれ…来た瞬間はなかったのに…」 「あなた…一億の塔が見えるの?」 一億の塔。 一体どういう意味なのだろうか。 「それは」 「一億階ある塔なのよ。」 僕が質問しようとしていた質問内容がまるでわかっていたかのような即答だった。 「あなたは一体何者何ですか?」 「私は塔の番人アルケーよ。」
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