言霊の二人-kotodama no futari-

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 朝。 「……」  目を覚ます。 「……」  しばし思考したあと、 「……またか」  ベッドに寝ている、そのままの体勢で、 「ふー……」  桂は、それはそれは深い溜息を吐いた――瞬間。  ガラガラガラッ 「あっけましておめでとーーっ!!」 「!!ぎゃーーーっっっっっ!!!」  隣人の登場とほぼ同時に、今度は、それはそれは大きな叫び声をあげた。 「な、何!?」  窓を開けて入ってきたのは、言わずもがな、幼なじみの保臣である。二人の部屋は二階にあるのだが、家と家の間がかなり密接しているため、お互いの部屋を窓から行き来するのは日常化している。 (……カギ……)  最近は、ほとんど窓のカギをかけることはしていない。それが当たり前になってしまっていたので、今更後悔してもと、二度目の溜息を桂は心の中で吐き出した。 「お前どうしたの。いきなり叫んで」 「……」  だが。この非常にマズイ状況は、何とか回避したい。 「保臣、お前確か、おばさんの田舎に行ってたんじゃないのか?帰ってくるのは明日だったはずだろ」  つとめて冷静に、桂は話しかけた。
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