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「頬も、そんなに熱くねぇし……」
「……」
「……」
「……」
「……ははーん」
「………………」
「なぁ」
「……な、なんだ」
「布団の中……どうなってんの」
「ど、どどどどうも、なってないっ」
「じゃあ、めくってもいいよな」
「ダダダダダダメだ!」
「どうして?」
「ど、どどうしてもだっ」
「ふーん」
保臣の表情は容易に想像がついた。が、直視は出来ない。
「桂」
すると、それまで上から聞こえていた声が、突然横――すぐ耳元に入るようになって、
「!」
桂は思わず、ビクリと身体を震わせた。保臣が膝をついて、ベッドの上の桂と、ほとんど変わらない高さになったのである。
「質問、なんだけど」
「……な、んだ……」
「今朝見た夢って……」
「……」
「初夢になるんだよな」
「……そ、そうだ」
「じゃあ、更に質問」
「却下!」
「え~、何だよそれ」
「きゃ、却下は却下だ。本当に……今日のところは帰って――」
「却下っ」
「!!」
「桂風(ふう)に言うなら却下!」
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