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「……」
「じゃさ、ストレートに言ってやるよ」
保臣の顔がより桂に近付き、
「なぁ、おっ勃(た)ててるの?それとも、もう……射精(だ)しちゃったあと?」
吐息をつくような声で、耳元で囁いてきた。
「っっ!」
言葉と一緒に吐き出された息はとても熱く、それが耳を刺激し、しびれにも似た感覚が身体中を襲って、桂はとっさに目をつむる。
「エロい初夢だったんだろ」
「……」
「桂……」
「……」
「俺と、ヤッっている夢だった……?」
保臣は懲りずに囁いてくる。
「……」
確かに、最初は桂にとって、えも言われぬ刺激となった。しかし、それを過ぎた後は、ある感情が重石(おもし)のように精神を圧迫し始めて、それ以上は、最早苦痛以外の何ものでもなかった。
「……ど……」
どう、して。
「……ど……い……」
どうして。
「桂?」
「ひ……ど、い……」
どうして。
「保臣……どうして、そんなことを、言うの?」
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