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事実かを確かめたくて、夢中になって走る。
人ごみをかき分け夢中に走る。
高いところから俺を見下げる時計塔。
幾千もの人の運命を見届けてきた時計塔が強く光っている。
やがて時計塔は何かを知らせるように、意味深にゴーンゴーンと鐘を鳴らす。
あのときから幸せを願ってはいけなかった....?
このときからすでにタイムリミットを暗示していたのかな...?
どれだけ走っただろうか、息切れが激しくて苦しい。
走りたいのに走れない。
自分の無力さを若干感じ始めていた。
香奈の家を目の前にして、強く地面を蹴り全力で駆け出す。
この時も雪が降っていた。
早く会いたくて呼び出し音なんか押さずに、香奈の名前を呼びながらドアを強く叩いた。
すると急いで出てきた香奈。
見た瞬間に涙が溢れてきて、思い切り強く抱きしめた。
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