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「まぁ、楽しかったかな。」
素っ気ない返事をしながら、雪が降るクリスマスムードの街を見る。
外はきらびやかな装飾や幸せを噛みしめているカップルたちで賑わっていた。
その反面彼女の横顔はどこか寂しそうだった。
そんな顔をされたら俺も悲しくなるだろ...
いきなり申し訳ない気持ちがこみあげてきた。
そんなことを思っていると、彼女は何やら思い出したように席を立つ。
「今日7時からバイトだ!」
「え!?間に合う!?」
「大丈夫、間に合うよ!じゃあね!」
そう言って財布を出そうとする彼女。
香奈の慌ただしい様子から、かなり時間がヤバいことがわかった。
「いいよ、お金なんて!ほらバイト、時間危ないんでしょ!?」
「え!?あ、ありがと!」
香奈が申し訳なさそうな顔をしてお礼を言う。
俺はお金のことなんかどうでもよかった。
とりあえず、間に合ってくれればいい。
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