馬が産まれる少し前の話

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~2030年3月1日~馬好牧場 「牧場長~そろそろ種付けシーズンですけど、今年はどの馬を種付けしますか~?って一頭しか繁殖牝馬いませんがw」 「笑いながらサラッとシャレにならないこと言うなよ・・・。」 はぁ・・・親父の代の時は競馬で一番グレードが高いGIを勝つ馬が結構出ていたんだけどな・・・。 おかげで最近入った新入りの田中にもなめられてるし(涙) とりあえず配合考えないとな。 「田中ー、予算ってあといくらくらいある?」 田中はなめた口調で 「えっとあとぉ・・・1000万円ですねぇ」 え、ちょっと待てよ、親父がこの牧場に残した遺産が100億円なのになんで今1000万になってるの・・・ 「田中ーなんでそんなに少ないかわかるか?」 田中はバカを見るような目でこちらを見ながら 「牧場長がいつもパチンコ屋や競艇で負けてくるからじゃないっすか?」 あ、そうか(笑) 「そりゃいつも負けてくりゃ金も消えてくかw」 「当たり前のこと言ってんじゃねぇよこのバカ」 って軽く流してみたはいいけど内心かなり焦ってるんですけど(汗) あーどうしよ。 この財産だとよくて50万円くらいの種牡馬としか配合できないよな。 「田中ー50万円くらいの種牡馬で家のアキウララにあいそうな種牡馬いるか?」 田中は種牡馬の金額が書いてあるリストを投げつけて 「少しは自分で調べろバカ牧場長!俺もう帰るからねじゃあね!」 ちっくしょーあのやろう、来月の給料減額してやる。 パラパラとページをめくっているとある馬に目がついた。 「これって15年くらい前に少し騒がれてた新種の黄色い毛をもって高松宮記念を勝ったイナズマじゃないか」 この馬だと種つけ料10万円か。 まぁ安いしこれでいっかw ~そして2030年4月~ 血統が無名すぎるアキウララと牧場長のタカシが適当に選んだイナズマの配合が行われた。
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