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「峰っ。」
通り過ぎる電車を見ながら
どれくらいだろう。
その場に立っていた時間さえ
把握出来ない。
後ろから聞こえる声に
気付いた時にはすでに
同じ駅で降りた人たちは
ほぼいなくなっていた。
「…竜ちゃん。」
「竜ちゃんって呼ぶな。」
眉毛をハの字にして
竜は笑った。
「珍しいね、部活なかったの?」
そう言いながら
竜が自分の所までくるのを待った。
「今日は、サボリ。」
「そんなんでいいの?」
あはは、と笑いながら歩きだす。
竜は、そんな峰を見下ろしながら
またハの字にして優しく笑った。
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