光と私

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【可愛らしい人だと思った。 光に包まれて現れた彼女はまるで神の使いのようだった。 別の言い方をすると天使ってことになるのかな。 花を見ていたと思えば鳥の巣を見上げ、蝶を目で追う。 きょろきょろと珍しそうに忙しなく動きまわる目。 行動や態度もそれと同じように素直なら良かったのに。 彼女は完全に僕達を嫌ってしまったようだった。 悲しいな。 寂しいな。 胸が苦しくて死んじゃいそうだな。 折角歳が近い女の子に出会えたのに。 でも、そうだよね。 いきなりこいつらと子作りしろって言われたら警戒しちゃうよね。 こんな腐ったゴミ溜めのような時代に現れてしまった可哀想な女の子。 あ、それを言うと産まれてしまった俺らも可哀想かな。 まあ、とにかく、何だかんだ言って僕は彼女を歓迎しているわけで、できれば仲良くしたいかな、なんて思っていたりする。 何だか妹みたいで放っておけないよね】
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