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次の日の朝、皆がそろうことはなかった。
誰もが予想した通り、メシア様が食事に来なかったのだ。
完全に部屋に閉じこもってしまっていて出てこない。
僕のせいだよね、と思うと辛くなる。
そんなに僕に触れられたくなかったのかな?
「また朝飯食えないのかよ」
忠ががっくりと項垂れた。
「オレが呼んでくる」
「いや、僕が行くよ」
宏が立ち上がろうとするのを僕は制した。
自分のせいなのだから、自分で何とかしなければ何も解決しないと思ったのだ。
「ねえ、メシア様、起きてる?」
僕はメシア様の部屋の前まで来て、少しためらった後に声をかけた。
だが中からは何の音も聞こえてこない。
まさかと思って障子を開けると其処には誰もいなかった。
トイレかどこかに行っているのだろうか。
それともまさか――消えてしまったのか?
光に包まれて現れたように、光に包まれて消えていく姿が頭にはっきり思い浮かべられ、怖くなった。
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