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最近の私の流行はネンドール。
粘土でつくる人形だ。
これはとても難しく、いつも歪な姿になってしまうのだが、皆はそれを無理矢理褒める。
「こ、個性的というか、これは芸術?」
何で疑問形なんだよ。
個性的っていうのは、一種の貶しなんだっていくら頭の悪い私でも分かってるんだよ。
それらを無視してひたすら人形を作る理由は、世話係として何時も側に居るアンドロイドのメイにあげる為だった。
もうすぐ彼女の“誕生日”なのだ。
周りの人達はアンドロイドの誕生日を祝ったりしないから、かわりに私が祝うつもりなのだ。
何とか彼女に似せようと四苦八苦していると、急に手元が暗くなる。
作業に集中しすぎて気配に気付かなかった。
背後を振り返ると、無駄に笑顔を振りまく光が居た。
「今日も元気そうだね」
なんだそれは。
眉を寄せ、目を血走らせ、粘土だらけの手をしている婚約者を見て言うセリフか。
可笑しな奴だ。
「お前の眼は腐ってる」
「そんなことは――あるかもね」
光は私の顔色を見て自分の言葉を訂正した。
彼は私の前に回り込み、粘土だらけの手を自分の両手で包みこみ、私をじっと見つめた。
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