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「メイにあげるんだっけ?あげてもきっと彼女は何も感じないよ?だってアンドロイドだし」
「いいの。自己満足なの」
「でも徹夜してまで作る事はないよ」
それはもっともな意見だった。
アンドロイドに感情はない。
そういう風に作られているのだ。
彼女等は人間達が娯楽や、自分の実力を試す為に作った過去の遺産だ。
もし感情を持って人間に逆らったら面倒だと思ったのだろう。
でもそれって悲しいことだと思う。
まるで調教された奴隷じゃないか。
メイ達がいるから今の人間は無職でいられるというのに、何の感謝もしないのか。
私はそれが気に食わなかった。
「粘土」
「え?」
「乾いたのが手についてるけど」
「好きで触ってるんだからいいの」
「よくない。もう食事の時間だ」
光はにこにこ笑いながら私の手から粘土をとりあげ、乾かないように袋に入れて、机の上に置いた。
そして渋々手を洗う私に並び、自分の手を洗いだした。
先に洗い終わった彼は私の手にちょっかいをだしてくる。
ウザイ。
光は寂しがりやの兎のようで、かまってあげないと死んでしまうのではないかと時々思う。
もしそれが作戦だとしたら、私は彼を打ん殴るだろう。
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