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食事をする場所は決まっている。
三つ子とのコミュニケーションを拒む私に、一緒に食べないと今すぐ婚礼の儀(の後の子作り)をしてもらうという脅しがかかったのは、記憶に新しい。
食卓の方を見ると、そこには既に二人がそろっていた。
「遅い」
「腹減った」
忠はいいとして、宏の目が冷たい。
余程長い間待っていたのだろうか。
そう思い、時計を見ると既に十二時だった。
まさか朝ごはん食べなかった――わけないよな。
私は彼等を無視して着席する。
「おい、俺ら朝飯食ってないんだけど。謝罪とかないわけ?」
「勝手に食えばいいじゃん」
「食事は必ず四人で。って決まってるでしょう?」
宏が冷ややかに言う。
「誰が決めたんだっけ?そんな掟」
「町長」
「じゃあ町長に文句言って」
メイが次々と食事を食卓へ並べていく。
パンとスープとデザートなどなど。
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