お台場奪還作戦。帝国軍襲撃

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乾たちが発砲を開始したことにより、帝国軍は阿鼻叫喚の地獄状態になった。 75式小銃による銃撃は帝国軍兵の鎧を貫き、後続の兵士にも命中し、一発の弾丸で2人命中しているような状態だ。 20mm機関砲の支援があるから、なおさらだ。20mm機関砲の砲撃を受けた帝国軍兵やゴブリンや、オークなどはバラバラに吹き飛ばされ、86式装輪装甲車のM274ミニガンによる攻撃で痛みを感じることなく倒れていく。 その有様に新人自衛官らは撃っている最中にガスマスクを外して吐いたりしている者が相次いだ。 乾はガスマスクをしたまま86式大型軽機関銃を撃ち続けている。他の機甲歩兵隊員も同様だ。 その様子はまるで歩く戦車のよう。大型軽機関銃から射出される弾幕が辺りを地獄絵図に変えていく。 「こいつら、どこから涌いて来るんだ!?」 87式軽機関銃を伏せ撃ちで応戦している自衛隊員が言った。周りには薬莢が大量に落ちていた。 「弾切れだ!弾をくれ!」 仲間が弾を要求してきた。 「弾を無駄遣いするな!」 諏訪隊隊長の諏訪典正中尉は予備装備として持っていた75式小銃のマガジンを渡した。 75式小銃は通常の75式小銃と違い、50発とサブマシンガン並みにかなり多い。しかし、帝国軍兵の数が多すぎてすぐに別のマガジンに変えなければ追いつかない。 すると、目の前のオークが爆弾のような物を持ち上げているのが見えた。 「爆弾だ!」 機甲歩兵隊員が叫んだ。撃ってもオークは帝国軍兵よりデカく目立つが、多すぎて弾丸が届かない。 「爆弾を狙撃しろ!」 乾が仲間に命令した。ホロサイトを装着している75式小銃を持っている自衛官は銃の二脚を展開し、伏せ撃ちの姿勢で照準を合わせた。 オークが大きく振りかぶった瞬間、自衛官が爆弾を狙撃した。 爆弾は爆発し、近くにいた帝国軍兵は巻き込まれ、オークは胴体から上がなくなった。
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