異世界へ

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お台場奪還作戦が無事に成功し、囚われていた捕虜の民間人を全員救出に成功した。 この前代未聞の事件は全世界が注目した。しかも、お台場に潜んでいた民間人の中で帝国軍の目を逃れ、ビデオカメラで自衛隊と帝国軍(世界では異世界軍と呼んでいるらしい)との戦闘の様子が撮影されていた。だが、自衛軍が救出したのと同時にそのカメラは押収された。 だが、臨時総理大臣、大野は情報統制を行わず、カメラなどは持ち主に返した。情報局が集めた情報などは全て日本政府により、隠し事なしが如く公表された。 その内容に全世界は驚愕した。今まで架空のものと思われていたドラゴンなどの存在が明らかになったことで一部の宗教団体は「終末の到来」と言い出すほどだった。 もちろん、そんなことは誰も耳を貸そうとしない。現実にそれを自衛軍が撃退したのだから。 アメリカ政府は海軍の第7艦隊を日本に送り込もうとしたが、日本政府はこれを拒否した。 なぜなら、第二次日露戦争のことからである。 2095年、ロシア軍が北海道、北方領土に軍を置き、実効支配を始めた時、アメリカは日米安保条約を完全無視し、在日米軍を全軍撤退させたのだ。 アメリカは日本を見捨てたのである。よって、自衛軍はアメリカ軍無しでロシア軍と戦わねばならなくなった。 しかし、日本にはある隠し球を持っていた。 防衛省は仮想敵国をロシア、中国、北朝鮮としていた。それに対応できる兵器を既に開発をしていたのだ。 その名は機甲歩兵。強化装甲を装備した兵士で、重火器を用いて敵軍を制圧をすることをコンセプトとした部隊である。 だが、配備して訓練を始めてから重大な問題が見つかった。 強化装甲のパワーアシスト機構である強化骨格が欠陥品であることが発覚したのだ。そのため、重大な事故を引き起こしかねなかった。 ロシアとの開戦、2ヶ月前のことだった。
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