異世界へ

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大臣たちの目の前に現れた立体ディスプレイには古賀が作成したと思われる文章などが表示された。 「私は、あのお台場事件の後、移民派遣を考えていた。それまでは情報局に調査をさせていた。それは光本と大野しか知らないだろう」 「確かに、私は情報局のエージェントを派遣したぐらいでしか知りませんでした」 「自分も臨時の総理大臣になる前は国会議員でしたが、古賀さんからはそれしか聞いていない」 光本と大野は二人して言った。 「だろうな。このことは桜会のメンバーでしか知らせておらん。外部の連中に知られたらマズイからな」 これらのことも想定して考えていたのかと思うと古賀の考えていることがわからなくなってくる。 「日本の人口は既に2億を超えている。人工島などで問題を解決をしようと考えたが、それはできなかった。このままでは、日本に住む事ができる土地がなくなってしまう。そこで偶然、ディメンションゲートが現れた」 「敵は我々が近代兵器で武装をしているとわかっていたのでしょうか」 大野が言った。 「わかっていたら、人海戦術で攻撃をしてくるとは思えん。同じ人間なら学習をするだろう。そこで、我々は敵の武器や鎧などを解析をした。これらにはほとんど、この世界ではレアメタルやレアアースでできているものばかりだ。もしそれを大量に手に入れることができれば、中国やアメリカにも負けない産出大国になろう。そこで私が考えたのは、イギリスとの連携だ」 突然のイギリスとの連携という言葉に会議場にいる桜会のメンバーの大臣らは驚愕の表情を見せた。
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