異世界へ

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「イギリスとの連携?それは一体、どういうことですか?」 桜会のメンバーの国会議員が言った。 「そこにいる、町田外務大臣と私は密かに話し合いをし、イギリスとの連携を考えていた。それに、ロックウェル英国大使とも話し合いをした」 「ロックウェル英国大使と!?」 別の国会議員が声を張り上げて言った。 「彼は私と町田外務大臣との話し合いに応じてくれた。ロックウェル英国大使を通じてイギリス首相、ディラン首相と極秘会談をしたよ。テレビ電話のようなもんだが。CIA(米国中央情報局)でも盗聴もなにも出来ん」 イギリスの首相と極秘会談をするとは! 古賀のやることはもはや、予測不能の域に達している。 「返事はどのようなものですか」 光本が聞いた。額には微妙に汗が浮き出ている。 「無事成功だ。表向きは自衛軍との連携で移民派遣を手伝うということになっている。真実は共同で産出することだがな」 「日英同盟が復活していなかったらこんなことはできませんでしたよね」 日本は第二次日露戦争でアメリカが日本を見捨てたのを機に、新たな協力者が必要だった。 ロシア軍の爆撃を受けた北海道の復興は不景気状態の日本だけでは無理があった。 イギリスはアメリカとの関係が悪くなったため、日本への復興支援を目的に再び日英同盟を締結した。 イギリスの支援があったおかげで北海道は1年で復興した。発展した科学技術もあるが、なによりもイギリスの支援は大きかった。 現在も同盟は続いており、友好的な関係を築いている。
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