異世界へ

11/16
前へ
/78ページ
次へ
日英同盟の復活はアメリカに衝撃を与えた。 しかしアメリカはなにも言えなかった。日米安保条約を結び、支援をすると約束をしておきながら、戦争が始まると逃げ出したので、信用すら失っていた。 世界はこれを当然の結果と見た。 「なるほど、イギリスと連携を取れば資源の産出活動は十分に出来る。そうすれば、日本経済も十分に回復できるし、国連での発言力もあがる。火星での資源開発も進めることができる」 宇宙開発大臣の矢沢が言った。元JAXAの局長で、火星に何度か行ったことがある。 「イギリスは火星での宇宙開発にも力を入れている。両国の科学者たちをそろえればアメリカに負けない技術も手に入れることもできる。問題は移民の問題だ」 「そうですね。応募する移民はどうしますか?」 「志願者で決める。ただし、移民船は民間企業に頼むように根回しをするように」 「では、軍の戦力はいかがなされますか」 「海上自衛軍の揚陸艦を3隻、護衛艦は絶対につけるように。万が一に備えて補給艦、イージス艦、空母もだ。航空自衛軍も空母に直属するもののみで出撃する。陸上自衛軍は揚陸艦3隻に搭乗するように私が指示をする。彼らには最新鋭の装備を提供する。後、科学者たちはイギリス軍の船に。向こうが研究所用に使わせてくれる船だ。それに乗るように。会議はこれにて終了だ」 古賀の号令で会議は無事に終了した。 しかし、この異世界への派遣がどのようなことになるかも、彼らは知らなかった。
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!

54人が本棚に入れています
本棚に追加