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作戦はすぐに始まった。レインボーブリッジは内務省の治安維持部隊が封鎖している。そこに陸上自衛軍の86式装輪装甲車改が2両、92式戦車が1両、74式トラック2両が封鎖している検問所についた。
「ここは封鎖しており、立ち入り禁止だ。ただちに引き返せ!」
治安維持部隊の隊員は戦闘を行く、74式トラックの運転手に話しかけた。
「ウチは陸上自衛軍機甲猟兵松本隊隊長、松本重盛中尉という者だ。そっちにアポを取ってあるはずだが?」
松本は身分証明書を治安維持隊の隊員に見せた。
「失礼しました!」
治安維持部隊隊員は敬礼をし、封鎖ゲートを開けるように命令した。高さ5mはある重いゲートが開いた。
封鎖ゲートが開いたのを確認した松本はトラックを走らせた。トラックの中には何人もの自衛官が乗っていた。ほとんどガスマスクをしていたりしており、素顔があんまりわからない。
ガスマスクを装備しているのは、帝国軍が毒ガスなどを使う可能性(しかし、実際に所持しているかどうかは不明)があるため、その応急処置ということで装着を義務付けられている。
松本の横には、陸上自衛隊機構猟兵乾隊の隊長、乾雅晴中尉が座っていた。全身を黒い強化装甲服に身を包んでいる。
「今回はちょっと厄介なことになりましたね、中尉」
「そりゃ、異世界から来た軍勢がお台場を突然占拠となりゃ、俺たちにお呼びがかかるわけだ。張り切ってやらないと、なにが起こるかわからねえし」
乾は頭をポリポリとかきながら言った。
異世界の軍勢と言うのはあくまで乾たちの推測で、ブリーフィングで見た映像の中にドラゴンと中世ヨーロッパの装備、火の玉を放っていたのを見て考えたことである。
正確に言うと、機甲歩兵のほとんどがオタク趣味の持ち主で乾がそのリーダー格にあたる。この場ではほとんど乾たちのペースだ。
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