Act.0 Outcast

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  自分は人外である。 では、人で無かったら何なのか。 自分は天使である。 この言葉を聞いたほとんどの人は鼻で笑い馬鹿にするか、冗談だと思うだろう。 少なくとも真に受ける奴はいない。 いたとしたらよっぽどのキリスト教熱狂的信者であるか、言っちゃ悪いが頭のおかしい人間である。  では、仮に天使が実在すると仮定しよう。  そもそも根本的に天使とは何なのか。 一般的な天使のイメージというのは、白い服をきた幼い子供、白い羽、頭の上の輪、この3つが主流だろう。 そのイメージで考えてもらっても構わない。  ・・・では、天使が実在した場合、天使は現代で何を目的として行動するのか。 死んでしまった人間を天国に連れていく?人々を幸福にする?悪い人を裁いてくれる? 仮定として考えてみても、想像し難いものになるだろう。 だが、現実に天使として自身が確認でき、その自分自身が現代に存在することによって、その仮定を現実にしてしまう。 念の為に言っておくが、自分は確かに天使である。 しかし目的なんて無い。ただの普通に暮らす、普通の学生だ。 死んだ人を天国に連れて行くことはおろか、人を幸福にすることも悪い人を裁くこともできない。 「じゃあお前は実は天使でも何でも無い。ただのおめでたい勘違い野郎だったんだな。」 その言葉が現実であったらどんなに嬉しい事か。
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