2 堀北沙希

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「まあ、貴方ならそれでも十分通じるからね。あ、早くしないとホームルーム始まるわよ」 「あ、そうですね。急ぎましょう」           ◇ 今日一日の授業が終わり、私は鞄に教科書やら何やらを鞄につめていた。今日の最後の授業は選択授業で生徒達が自分で選んだ科目の教室で授業を受けるというものなので、基本的には自由解散なのだ。 さて、必要なものも入れ終えたし、これから帰ろうかと立ち上がったとき、蒔絵が教室に戻ってきた。その表情は浮かない。 「どうしたのさ、蒔絵。そんな浮かない顔して」 そういうと、蒔絵は一枚の紙を取り出して、私に差し出した。そこには、『生物確認テスト』と銘打ってあった。得点は九十九。選択問題を一問落としただけというありがちなミスで点を落としている。 「この間、生物の抜き打ち的なテストがあったんですよ」 抜き打ち的、というか抜き打ちでいいんではないか?まあ、あえて突っ込みはしません。
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