2 堀北沙希

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「それで、それが今日帰ってきたんですよ。それで、見てみたら一問間違えて、この点数です。分かってた問題なのに、何でか間違えてたんですよね」 「貴方らしいわね。重要な大きな問題は決して落とさないのに、こういう細かい問題を細かく落とすんだから」 「笑わないでくださいよ。結構ショックなんですから」 「ああ、ごめんごめん。でも、これぐらい取れてるんなら、クラスで一番でしょ?」 「いえ、違います。二番です」 「何、また彼?」 「彼です」 「なんて言ったっけ?新藤戒(しんどうかい)だっけ?」 「そうです」  新藤戒。蒔絵の生物の永遠のライバル。彼は、ほとんどの生物のテストで高得点を叩き出し、いつも蒔絵の頭上に君臨している男子生徒だ。まあ、私は見たことは無いんですが。 「まあ、次ね。次。次は百点とって、同率一意を狙っちゃいなさい」   「はい。頑張ります」
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