第一章 最後の名前

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朝から珍しく 父さんはいなかった。 母は幼いころに死んだ と聞いていた。 だから父子家庭だ。 穏やかで優しい父が この頃変わってきたのは 気のせいだろうか。 「お母さん、おはよう。」 と写真の前で言ってるとき あるニュースが全国に流れた。 これが自分の名前・存在すら 無くなる日になった。 「父さん?人殺し?」 そんな事ない…信じたくない 内容はたった一人で 沢山の人の骨を折り曲げて 殺したというもの この世界でありえない事が 起きてるのは知ってるが まさか生身の人が出来るわけない 夢だと思い学校に行った いつものように 友達のひかるや花南に話掛けると笑ってはくれなかった …逆に冷たい目で まるで突き放されたように悲しかった。 「お前の父親は人殺しなんだよ!! こっちにこないで」 と言い放ったのはひかる 「ごめんね。話し掛けないで?  他の人に噂をたてられるから」遠回しに言ったのは花南 正直、考えてなかった… 「…ちょっと…」 この後の言葉は言えない 言いたくても言葉が詰まった そのまま私は 屋上で泣いてた 寂しかった。友達だと… 思っていたのに、大切な人たち だったのに… あんな事あっても 助けてくれると 勘違いしてたんだ…きっと
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