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この世界は、一度終末を迎えた─────
旧西暦2418年・・・それまでの最大質量を遥かに上回る巨大な隕石が地球に衝突する事が判明した。
その大きさから、ミサイルによる破壊作戦も意味を成さず、ただ近付いてくる隕石を見ていることしか出来なかった。
残された時間で造り上げた地下シェルターから眺めた夜空には、赤々と光を放つ隕石が存在を主張し続ける。
それはまるで、太陽が落ちてくるように見えたと言う────
そして、隕石が地表に触れた時。
わずか一夜にして、築き上げてきた文明が・・・世界が・・・滅びの時を迎えた──────
【落日の夜】
人々はその運命の夜を、後にそう呼ぶようになる。
シェルター内部にまで聞こえる轟音と、地球そのものが揺らされたような震動。
死を覚悟しながらも生き延びた人々は、百年あまりの時間を過ごしたシェルターを離れ、徐々に地上を目指し始めた。
長い時を過ごした人々の目に映った最初の景色は、荒廃した大地と瓦礫の山。
記憶と記録には結び付かない程に地形が変わってしまった世界で、再び生きる事を決意して動き始めた人々。
シェルターの施設や、無事だった重機を使用したことで、最低限の生活が出来る環境を整備するまでにそう時間はかからなかった────
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