ピクニックin北国

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「……ずぅっと歩きっぱなしじゃが、いつになったら着くのかのぅ?」 「……もう少しだ。この丘を越えれば見えてくる」 「今日の獲物はクアドリ‥ア?…ガだっけ?もちろん極地型の方で」 待て、いつから食い物になったんだよ? 「その通りじゃが…エステルは耐寒装備じゃないのう?一体どうしたんじゃ?」 「あぁ、そうなんだよ!新しい装甲作ってみたんだよ。今日はその性能を試してみようと思ってね♪」 降り立たんであるバックラーを叩きながらいかにも楽しんでいるように話すエステル。……たぶん俺とは違う世界の見方をしているんだろうな。 ……と言うかあんまり叩くなよ。 壊れるだろが。 忙しい整備士さんに迷惑かけんなよ。 「……ん?そういやトラちゃん先輩はいつもと服装が違うね?どしたの?」 「おぉ!よく気が付いたのう!コレは…」 会話が弾む後ろの二人をチラリと見やってから索敵に集中する。最近解ってきたんだが、この二人は緊張させない方が調子が良い。 陽動と後方支援、重要な役割を担っている二人には好き勝手やらせといた方が結果的に好成績を叩き出す、ような気がする。 ……別に注意するのが面倒くさい訳じゃない。 俺は俺のやるべき事を果たすだけだ。 だから決して自分の仕事以外の事はどうでも良い、とか思ってるわけではない。 「……今日もだりぃ」 おっと本音が……。
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