ピクニックin北国

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▽ 「……居た」 ターゲットのクアドリガはエリアの一番奥に居た。瓦礫の残骸を咀嚼している様子が少し距離のあるここからでも見て取れる。 俺の対角線上、ちょうど戦車の死角になる位置でティオが待機しているのを確認し、手信号で作戦を伝え、俺の後ろで既に銃を構えてるエステルに合図を送る。 (行くぞ) 3 2 1 ▽ 「せいっ!」 まずはティオが斬りかかる。 軽快な突きを繰り出し、高く跳躍すると貫通するかのごとき鋭い一撃を食らわせバックステップ。 コイツの戦い方はまるで舞っているか、踊っているかのように動きながら相手を翻弄するヒット&アウェイ戦法……らしいが少し攻撃に傾いている。 ティオにしか気付いていない戦車が雄叫びをあげるタイミングに合わせて駆け出すと、背後からエステルの弾が弧を描いて俺を追いかけ、追い越しミサイルポッドに命中する。 後ろからの不意討ちを食らった戦車は驚きの混ざった呻き声をあげ、身体を転回させ――ようとしたところにステップで勢いを増した連続斬りが後ろ足にヒットする。 俺の一瞬の硬直をカバーするように反対側でティオが銃で牽制。やはり小気味良い銃声が短く続く。 その隙にエステルの前まで飛び退く。 (読み通りなら……!) 装甲を展開するのと、戦車が弾を撒きながら後ろに跳ねるのは同時。少し遅れて重い衝撃が腕を襲う。 初めの頃はそれだけで吹っ飛ばされることもあったが、今は少し後退りする程度だ。 「さんきゅー、っと」
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