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ハズだったのだが。
「おーい、ドコ行くんだよー?」
「そっちはエリアの外じゃぞ」
後ろからついてくる二人。
「オイ、ついてくんな……先帰ってて良いから来んな」
「儂らに秘密にしたいことなのか?」
「なに?タイムカプセルでも掘りに行くの?」
「別にそんなんじゃねぇけど帰れ」
「そうか……だが断る」
ダメだ……何言っても聞かねぇ。そもそも聞く気がない。絶対についてくる気だ
「もう、好きにしろ。……でも騒ぐなよ」
▽
10分も歩いただろうか。
瓦礫の数が徐々に減り、かわりに生きた針葉樹が増えていく。絵に描いたような林は今じゃだいぶ珍しい光景だろう。
高い木々が立ち並ぶ小道を抜けるとその場所……一軒の民家は見えてくる。
二階にあたる部分は不規則に変形して崩れてしまっているが、一階部分は辛うじて形を保っている。
……とはいってもガラスは所々割れ、北国特有の二重窓も意味をなさない。玄関のドアだって開きっぱなしだ。
一応雪を落としてから中に入る。
「ここは……誰の家なのじゃ?」
「結構最近まで住んでたんじゃないかな、ここ。人が住まなくなって5年は経ってないって感じ」
なんだコイツ鋭いな。
内心驚きながらも努めて冷静に応える。
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