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春には美しく綺麗な花を咲かせるけど、冬は枝のみになり寂しくなっている。
その大樹の根元、屋敷から見えない植え込みの陰に何かがある。
「……?」
不思議に思って、覗いてみると――
「わ……」
そこにいたのは、美しい人だった。
雪原のように白銀に輝く長い髪に白い肌。
見たこともない装飾のある服を纏っている。
端正で整った顔に長い睫毛。
一見すると、中性的な顔立ちで男か女か分からない。
「あの~ もしもし……?
起きてくださ~い」
傍に行き、ゆさゆさと揺り起こそうとしてみても、なかなか目を覚まさない。
「雪も降ってきてますし……風邪を引いてしまいますよ?」
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