六華舞い散る月夜の晩に
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「う……」 しばらくしてやっとその人が目を覚ました。 「ここは……?」 上半身を起こし、こちらを見るその目は、満月の光を紡ぎ集めたかのような金色。 数秒、お互いを見て固まったかのように動かなかった。 私にいたっては、その瞳があまりにも綺麗で見とれてしまっていた。 冬の桜の木の下。 暗闇に舞う白い華の中。 先に沈黙を破ったのは、白銀の人だった。
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