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「信長様の剣を……奪ったのか……!」
秀吉の言葉に、いや。と光秀は静かに否定した。
「簡潔に言えば、信長から魔王の力を奪った、だ。俺は信長を討つと同時に、この魔剣の所有者となった」
「馬鹿を言うな!魔剣は信長様以外には決して扱えぬ代物だ!お前がその剣を扱おうなど……」
秀吉の言葉に光秀は嘲笑うように笑う。
「この魔剣『閻魔』は特殊でね、欲を食らう魔剣だ。欲が強い者にこの魔剣を扱う事が出来る。信長の欲はさぞかし不味かったであろうな、あっさり魔剣は俺を受け入れたよ」
「そんなはずが……」
突然、秀吉の声を遮るような、銃声が響いた、すると燃える本能寺の中から、種子島銃を持った十代前半の青年、『森蘭丸』が現れた
「ら、蘭丸……?何故お前が……」
倒れた秀吉を見て、蘭丸の口が歪む。
「賛同したんだよ、光秀にね」
「なんでお前まで光秀につくんだよ!お前は信長様を敬愛していたはずだ!」
「五月蝿いな」
秀吉の声を制し、蘭丸は話す。
「やっと分かったんだよ。あの人は天下を取る器にあらず、ってね」
そう言うと、種子島銃の銃口を秀吉に向けた
「そうと言えば、あんた本当に五月蝿いね。死んでくれないかな?」
引き金を引こうとした瞬間、光秀が手で銃口を覆った、
「よせ蘭丸、もうこれ以上の仕打ちは結構だ」
「……分かった」
少し納得していない風に、銃をしまった、
「この出血量だ、いずれ死ぬだろう」
そう吐き捨てるように言うと、光秀は歩きだした 、
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