1人が本棚に入れています
本棚に追加
橘家本邸
「お帰りなさいませ。佚雅様。」
「ただいま。」
端整な顔が笑い、迷わず異母弟の部屋に向かう
「至福ですわ。」
残された女房が騒ぐ
「一夫多妻の御時世に橘家三男で文武両道の美丈夫。」
「側室でもなられたい方はあまたにいらっしゃるけどいまだ独身。」
「密かに狙いたくなりますわね。」
(聞こえてるんだけど)
佚雅はため息をつきつつ歩く
母を知らないからか、女を大事にしない父と兄がいるからか、どうもしっくりこない
カラッ
扉を開くと異母弟がそこにいた。
琥珀色の髪はオレみたいに一族を示す松葉…緑でないし、母が違うが、年も近く仲がよかった
最初のコメントを投稿しよう!