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「お父様、すみません」
謁見の間で王座に座るインゴベルト王に、隣に座りながら言った。
「珍しいな、寝坊とは……まぁ、苦しい戦いが終わったばかりだ。ゆっくりしなさい。」
血の繋がりはなくとも、この18年間過ごしたのは紛れもなく親子としてである。
少し複雑な気持ちになるときもあるが、王は父なのだ。
そして王も、ナタリアのことを娘だと、今も昔も変わらず思っている。
「いえ、苦しい戦いはまだまだ続きますわ。まだこの世界には、数多くの問題がありますもの……」
インゴベルト王は頷いた。
「そろそろ議会が始まる。ナタリア、行こうか」
「はい」
議会といっても、キムラスカは"王国"である。
議会はただ重だった臣下の意見を聞くぐらいで、最終決定は、王が…つまりインゴベルト陛下の意志だけで決まるのである
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