シェリダン

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正式な王女訪問ということで、議会のあと準備が行われた。 ナタリアは仕方がないと思っていたが、なんとバチカルを出港できたのは、2ヶ月も過ぎた頃だった   「全く……早急にやらなければいけませんのに」 ナタリアは周りの護衛船を見て甲板でため息をついた。   インゴベルト陛下がどうしてもと言うので、護衛隊の編成、各街への連絡等が、出発を遅らせたのだった。   このところ賊が出て、治安が悪いから、当然の配慮ではあったが、ナタリアは貴重な時間を失ったと感じた。   「ナタリア様、間もなく本船はシェリダン港へ入港いたします。」 兵士が連絡に来た。   「分かりましたわ。」   本船キャツベルトに、護衛艦は陸上装甲艦4艦、約1000弱である ナタリア・プリンセス号を用意すると言っていたが、ナタリアは断った。 確かに、快適で船足もそこそこ速いが、もし、船を用意していたらまだ出発は出来ていなかっただろう
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